昨今、YouTubeなどの動画を見てDIYを始める方も増えてきました。最近ではバラエティー番組などでもDIY企画が取り上げられています。手軽に始められるインテリアなどの小物から、大きいものではログハウスなどを建てる人もいます。
DIYをきっかけに「自分で自宅を建てたい」と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、セルフビルドの前に知っておきたい法律のことについて紹介していきます。
そもそもセルフビルドとは?
セルフビルドとは、ハウスーメーカーや職人を頼らず自分で家を建設することです。「そんなことが可能?」と不安に感じることもありますが、建設自体に問題はありません。
ただし、セルフビルドをするうえで必ず知っておきたいのは建築に関する法律や条例です。よくわからないうちに建ててしまうとさまざまな人に迷惑をかけてしまうことになるので、国や自治体が定めている法律や条例をしっかりと理解しておきましょう。
どんな法律があるの?
建物の建設について関与している主な法律は「建築基準法」です。国が定めた法律は大まかなものであるため、さらに条例や政令で詳細に記してあります。ここからは、セルフビルドに関わっている主な法律について解説していきます。
建築基準法
建築基準法には、建設設備や罰則などに関するルールが書かれています。火災につながるようなものは設置しない、必要な設備や準備を怠らないなど、建設や住むうえで必要なことが記されています。
建築基準法施行令
建築基準法施工例には、建築に使用できる材料の種類や土地の面積、災害につながらないような換気率などが詳細に記されています。また、具体的な数値や構造の内容なども書かれているため、事前に確認しておくとよいでしょう。
生活に関する法律
環境基本法・廃棄物処理法および掃除に関する法律・浄化槽法・水質汚染防止法・下水道法など、環境を守るための法律があります。
規制が緩和される理由
ここまで法律についてお伝えしていきましたが、国が定める法律・政令・省令は多岐にわたり、「これらをクリアすることはできるのか?」「面倒だからあきらめようか」と考えてしまう方も多いでしょう。ただし、条件によって、注意しなければならない法律が少なくなることがあります。それは四号建築物、もしくは都市計画区域外であることです。
四号建築物
四号建築物とは、建築基準法の中でも特別扱いされているものであり、用途や規模に関する5つの条件をすべて満たしていれば四号建築物とみなされます。面積や高さなどの細かい条件がありますが、一般的な住まいであれば特に問題なく満たすことができます。
四号建築物を都市計画域内に建設する場合、建築士の資格を持つ方が設計すれば必要な書類の添付が不要になりますが、建設確認の申請は行わなければなりません。建築基準法で定められているルールも守られなければならないので、細かい要件などは確認しておくようにしましょう。
都市計画区域外
都市計画域外の場合、行政によって建設確認申請が不要になります。(工事届は必要になります。)県外などに引っ越した場合、都市計画区域外の地域になっていないかどうか、セルフビルドを始める前に最寄りの役所に確認しましょう。役所に建設確認申請書を提出すれば、一週間程度で知ることができます。
セルフビルドでしてはいけないこと
日常生活で使う電気や水道などの工事は、専門の資格を持っていなければできません。また、木造の場合は面積によって設計や工事監理に資格者が必要となります。これらの資格を持っていない場合は、専門家に相談するようにしましょう。
また、危険な作業も伴うため、作業の際は安全に配慮しなければなりません。体調不良のときは、なるべく作業しないようにしましょう。
まとめ
四号建築物の場合、都市計画区域内では建築基準法の適応となるため、建設確認申請が必要です。ただし、建築士の設計によるものであれば審査される内容の添付が不要になる場合があります。一方都市計画区域外の場合、都市計画域内のような規則を受けず、さらに建設確認書も不要となることがあります。また、森林法や自然公園法など、国とは別に自治体が条例を出している場合があるので、セルフビルドを行う前に一度確認しておきましょう。
また、セルフビルドで飲食店などを建てるケースもあるため、今後法律や条例が増えていくかもしれません。いずれにせよ、セルフビルドを始まる前にどんな法律や条例があるのかどうか、最寄りの役所に確認してみましょう。なお、建設が終了した後に工事完了届や完了検査申請書などを提出しないと大事な保険に加入できなくなってしまうこともあるので、これらの手続きも忘れずに行うようにしましょう。
アキトデザインでは複雑で難しい建築確認申請の手続きを、専門的な知識を持った一級建築士が責任を持って行っております。建築確認申請の詳しい内容がわからないという方は、ぜひアキトデザインにお問い合わせください。作業にかかる日数や費用などのご相談も随時受け付けております。